人参

 ニンジンつくりに精魂を傾ける友人から、見事なニンジンを貰った。

見かけも味もすばらしい。

御託はもっとすばらしい。

彼の弁。

 『にんじんをお褒めいただきまして有難うございます。

 ニンジンにはビタミンCを分解するアスコルビナーゼと言う酵素が含まれています。

世間の人はあまりこの事を知らないのですが、アスコルビナーゼ酵素を失活させる方法があります。それは、リンゴなどを同時にジュースにすると酸が持ち込まれ、アスコルビナーゼが失活し、ビタミンCが壊れません。また水分が多くなり飲みやすくなると思います。

(ヒトを含めて)サルはビタミンCを体内で合成できません。他の動物はビタミンCを合成できますが。ですからサルである私たちは必ずビタミンCを摂取する必要があります。

 β-カロチンは分子の中間で幾何学的に対称的な構造をしており、人間の体内で2つに分割してビタミンA分子が2個出来ます。ビタミンA分子はその端末にアルデヒド基がありオプシンというタンパク質のアミノ基と結びつき、ヒトの眼で光が当たったときシス-トランス光変化が起きカルシュームの流れを調節します。これがヒトの眼がものを見るという時の光化学変化です。

 光化学はドイツの大学の大学院で研究していたので私の専門分野です。 ただ、β-カロチンは油がないと腸管で吸収されません。油がない場合は7%、油があると50%くらい腸管から吸収されます。ヨーロッパ人が野菜を食べるときは、ドレッシングとしてサラダ油と酸を必ず使うのはこう言う理由からです。オリーブオイルがもっと良いのですが、ジュースに入れることが出来ません。私はこの点について良い考えをまだ思いついていません。

 松ちゃんが苦労して植えている、桜の花が咲くのはもう少し先でしょう、見てみたいものです。』

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