いもば 豆茶碗

清の後期、日本で言えば江戸後期。

この頃から明治にかけて煎茶が文人の間で親しまれ大衆にまで広まって行った時代。

清国から日本向けに煎茶碗が大量に生産され輸出されている、それがこの茶碗。

このいもばの中に下手(げて)と上手がありこの茶碗は下手のほう。

その中で最も多かった図柄がこの芋葉で、闊達でなんの衒いもない作りと筆致は今でも数寄者に愛されコレクターが多いと聞きます。

作った時代が下がるにつれ絵付けの色が もっとコバルト色の鮮明な色にになってきている。これはこれで愛好者があるようです。

サイズは朝顔形の大きさから 最小がこの手のひらに乗った茶碗。

これで香り立つとろりとした玉露が淹れられ、客をもてなし語り合われたことが想像されて思いが広がります。

最近は骨董屋でこの手のもの見かけることが少なくなった、コレクターの蔵の中に納まってしまったのだろうか。

2階を整理していたら数十個戸棚の中から出てきた。

汗を拭きながら一つ一つ眺めて飽くことはありませんでした。

先日ある古美術商でこの手のものを見たが、店主は最近煎茶玉露を飲み人が少ないのか、余り売れませんと言っていた。 使わなくても見るだけ手に取るだけで、私は癒される。

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