利休にたずねよ
作家山本兼一さん、参考文献を活用したとは言えよくぞここまで描けたものだと感心。
ぼんやりとしか掴めていなかった利休像がかなりな所まで見えてきた感じ、でも逆に疑問点も出てきて、ますます興味がが深まる。
この中で、 白い手・・・・・・・あめや長次郎 の項、
「赤い釉薬がかけてあるが、肌はざらりとした土の感触を残した・・・」云々のところ。
この茶碗は長次郎の利休形茶碗「無一物」とか「一文字」を指していると思われるが、長次郎は赤い釉薬を使った茶碗は作っていないはず。
楽焼で赤い釉薬を使って焼けないことはないが、茶席に出る茶碗として 私は聞いたことも見たこともない。(又、楽家の赤楽茶碗の中に赤い釉薬の楽焼茶碗は無い。)
長次郎はやや赤めの聚楽土(京都)に 唐の土に日ノ岡(硅石)の少し強めの透明釉を作り、薄掛けして焼いているはず。
長次郎の場合は黄土もあまり使っていないと思っている。
ま、これは小説だから、穿鑿不要か・・・。
2013/12月映画「利休にたずねよ」 観ました。肩が凝りました。
・凡求子・