天満屋倉敷店(駅前移転)オープン

2005年5月に三越倉敷店(倉敷駅前)が撤退して空きビルとなっていたが、地権者等の折り合いがついてこの3月29日にオープンした。

不採算の続いた三越倉敷店、撤退時には見る影もなかったのは仕方ないこと。

不景気それに大手百貨店の統合など百貨店受難時代という時に全面リニューアルして大型オープン(地下1階、地上6階、店舗面積約2万2100平方メートル)とは久々に地元としては明るいニュースだ。・・・が従来型の、商品構造も変えずに漫然とオープンして、百貨店として裏目に出なければ良いが。

内部は地権者ゾーンが無くなりすっきりしたフロアー構成、馴染みのブランドと新しいブランドがバランスよく収まり よく考えられた品揃えと見受けられる、天満屋として力の入れようが分かる。でも不況対応型の品揃えとは思えないが・・・不安。

これから売り場の配置や品揃えの修正をしながら、地元により根付いた愛される百貨店になって貰いたい。

 一番求められるのは販売員の心のこもったサービスと販売対応ではなかろうか。

オープンで大変だったと思うが、販売員の笑顔が足りないなと思ったのは私だけだろうか。買い物をしてもありきたり 親しみのある声かけも全く無かった。

建物や品揃えは変わったが、人だけは旧店舗から移ってきただけという感じ。このところは指導教育の要るところ。

折角のいや久々のオープンイベント・・・人の面 残念ながらイノベーションを感じさせないな~。若干の景況対応のメーカー構成が必要と思うのだが・・・。

オープン初日の売り上げは1億円突破という。年間売り上げ予算は120億円と新聞にあったから、1億円突破は初日としてまずまずと言えるのではないか。

だが・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

出店にリスクは付き物というが駅の北側にあるチボリ公園、閉鎖となると、後の利用がどう出るか・・・だ。

大型のアウトレットモールでも出現すれば、天満屋は直近だけに壊滅的な影響を受けること必至。これは大きなリスクだ。

これだけではない・ ・ ・ 

加えて人口の減少、GDPの伸びの低下、客層の二極化と高齢化、社会構造の大変化(就業システム) 諸々が 百貨店の将来をいっそう不透明にし暗くしている。

そんな中、百貨店業界全体が戦略的な構想を描けずにいる。

今 一つに、百貨店は単純に売り場面積に拘るべきではない。

つまり地域の財布が縮まって来ている時に面積拡大をしてどうする。

二つに、百貨店の役割の見直しと百貨店なりの時代迎合だと思う。見直しの中には当然 客層、品揃えと価格、そして突出したサービス、差別化した売り場構築と演出を戦略的に構築し直して行かなければなるまい。当然のことだが出来ていないのが現状。

この先、売り上げの1割減2割減のような事態が起こらなければいいが・・・。

百貨店の売り場に立ってみて、顧客が今何を求めているかを十分把握できていない社員が少なくないのではないかと感じることが多い。

どこの百貨店も(特に地方店)ほとんど同じようなテナントを、ブランドを、メーカーの品を、づらりと並べ、大幅な差益を取ってシャーシャーと売ろうとしている。あつかましいと言いたい。

派遣社員の女性に 血走った眼で、売り気満々でアプローチされたのでは、お客は逃げて行くほか無い。

百貨店は第二次淘汰集約の時代に入った。

幹部の人から頭の切り替えが即刻要るのではないのかな。

それに百貨店に納入するこれまでの定番メーカーが次々と破産倒産を始めている、それでは近い将来百貨店の破産(共倒れ)が見えてくる。

魅力のないブランド、テナント、裏づけの薄いオリジナルと言う商品。これではますます客離れは否めない。

これはバイヤー以前の問題。経済とニーズとターゲットのトライアングルを読み取る経営者の感性の貧困を指摘したい。

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