トキワ荘 森安直哉 『烏城物語』
「ときわ荘」と言えば、手塚、石の森、赤塚、藤子とそうそうたる漫画家を輩出した 名だたるアパート。その中にあって無頼で不遇を囲った森安直哉。亡くなる2年前の1997年渾身の力を振り絞り、叙情的、牧歌的な素晴らしいマンガを出版した マンガ『烏城物語』だ。
岡山市記念事業「岡山烏城400年祭」の祭巻頭を飾るイベント、テーマ『烏城物語』が岡山林原美術館別館ルネッサンスで華々しく行われ、加えて盛大な出版記念パーティも催された。
その時の森安の満面の笑顔が忘れられない。
森安直哉は 咲き誇って燃え尽きた。
『烏城物語』2000部限定 即完売だった。
この企画は岡山市の記念事業イベントに採択された。
『烏城物語』出版〔発行者〕およびイベント企画は松下邦夫。
このイベント企画から事業終了まで、苦難の道と涙の秘話がある。・・・また追って・・・。
岡山に帰った森安は滞在中毎日岡山城の見える旭川畔(石関町~出石町)を一緒に歩いた。昼食は榊原病院の8階の食堂で摂った、そこからは岡山城が真正面に見え彼は憑かれたもののように子供の頃の旭川と岡山城の思い出を口にした。
烏城この城の北を流れる旭川、そこに架かる橋は月見橋、設計当時から不人気で問題のあった橋。行政が強引に架けてしまった。
森安も「これ見る度にうんざりだ、なんとかならぬか」と嘆いていた。
2012/07
2012年県民文化祭「芸術回廊」で烏城物語第二版出版の要請(県立美術館からの)を無償で許諾する(森安の会)。 『烏城物語』売価1000円